紫雲寺「間藤家」住宅保存活動

雨でずぶぬれ…伸び放題の草や枝と格闘3時間…とうとう立派な庭園が復活!江戸期から続く新潟新発田市「間藤家住宅」

 

11代当主が体調崩し手入れできず、市民有志が尽力

2023/7/3 16:30(最終更新: 2023/7/3 16:44)

大きな枝を運び出す参加者。裏庭には刈った草や枝で山ができた

=新潟日報 7月1日、新発田市古田

 

新潟県新発田市の旧紫雲寺町で江戸時代末期から続く間藤(まとう)家住宅を後世にも引き継ごうと、市民有志らが7月1日、敷地内の草刈りや木の伐採を行った。うっそうと茂っていた草や木々の枝が約3時間できれいに取り払われ、立派な庭園がよみがえった。

間藤家は江戸末期に紫雲寺潟の干拓地を開拓した庄屋で、現在の建物は元治、慶応年間(1860年代)に建てられた。主屋と土蔵、裏門代わりの「門小屋」は市指定文化財。

11代当主の間藤千賀子(ちがこ)さん(79)が体調を崩し、広大な敷地の手入れができなくなったため、地元住民や市民団体「新発田まち遺産の会」などが昨年から手入れを名乗り出た。

敷地は約4600平方メートル。庭園や裏庭には方々に伸びた枝や雑草が広がり、門から主屋が見えないほどだったが、作業が始まるとみるみるうちにきれいに。約40人の参加者が雨でずぶぬれになりながら、黙々と枝を落とし、最後は敷地内が見渡せるほどになった。

分家の間藤陽一さん(72)は、灯籠や大きな石なども配された庭園の全景は「初めて見た」と感激。作業に参加した新発田市の男性(67)は「人の力は偉大ですね」とすがすがしそうに語った。