紫雲の郷自己破産へ!

 

 新潟新発田市の温泉施設「紫雲の郷」、レストランと物販など停止 指定管理の第三セクター「紫雲寺記念館」が自己破産へ

新潟日報 2024/4/2 10:00

一部の営業を停止した紫雲の郷=4月1日、新発田市藤塚浜
一部の営業を停止した紫雲の郷=4月1日、新発田市藤塚浜

 

新潟県新発田市の第三セクターで、温浴施設「紫雲の郷」の指定管理者となっていた「紫雲寺記念館」(新発田市藤塚浜、小林豊男社長)が、自己破産する方針を固めたことが4月1日、分かった。近く、地裁新発田支部に申請する。東京商工リサーチ新潟支店などによると、負債総額は約1億2千万円。

 紫雲の郷の温浴施設は市直営で営業を続けるが、レストランと物販、宿泊施設は4月1日に営業を停止した。温浴施設がある県立紫雲寺記念公園の指定管理者も務めていたが、4月から別の業者に切り替わった。

 紫雲寺記念館の筆頭株主でもある新発田市は、市議会12月定例会で、指定管理期間が切れる3月末を区切りに、市直営に切り替える方針を報告。紫雲寺記念館の従業員のうち、雇用継続を希望した13人は市が臨時職員やパートとして採用している。

 紫雲寺記念館は合併前の旧紫雲寺町だった1996年に町や地元商工会、住民らが出資して設立。紫雲の郷のオープン以来、指定管理者を務めた。一方で、指定管理業以外の自主事業として取り組んだトラフグ養殖事業に失敗。ウイルス禍や物価高の影響で負債が膨らみ、返済の見通しが立たなくなったとみられる。

 

 

施設入り口に掲示された、レストランや売店の営業を取りやめたことを知らせる張り紙=4月1日、新発田市藤塚浜

 

 

紫雲寺記念館は4月以降も賃借テナントとしてレストランなどの運営の継続を希望し、市と交渉していたが、1日になって市や株主に対し、弁護士を通じて自己破産の方針を伝えた。紫雲寺記念館の小林社長は1日、新潟日報社の取材に応じなかった。

 市は資本金2300万円の33・7%に当たる776万円を出資しているが、経営に関する決定権を持っていない。

 市観光振興課の渡辺貴守課長は「(自己破産の)兆しはなかった。まずは状況を把握したい」と困惑しつつ、「直営化した温浴施設は職員とともに、引き続き責任をもって運営した

い」と話した。

 4月1日に紫雲の郷を利用した市内の自営業男性(71)は「レストランは以前、宴会でも使っていた。値段が手頃でよかったのに」と残念そうに話した。

 

 

 

 

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コメント: 1
  • #1

    紫雲の郷の料理が好きだった人 (日曜日, 26 5月 2024 21:18)

    漫画も読めて、宿泊できて美味しい料理が食べれたのに心から残念です。