新潟日報 2025/7/9
新発田市やその周辺地域のお盆に欠かせないぼんぼり作りがピークを迎えている。市内の造花店などでは作業が急ピッチで進んでいる。
新発田市などではお盆の墓参りの時、アサガオをイメージしたぼんぼりを墓前に立てる風習がある。夜になると、墓地のあちこちでろうそくの火が入ったぼんぼりの光が浮かび上がり、お盆の風物詩となっている。現在は新発田市などの数軒がぼんぼりを作っているという。
ぼんぼりを作って約70年の老舗、山幸造花店(新発田市稲荷岡)では、3代目の山鳥伸浩さん(61)やスタッフのほか、山鳥さんの家族も応援に加わって総勢10人ほどで連日作業に励んでいる。
ぼんぼりは竹製で高さ約1・2メートル。骨組みにアサガオをモチーフにしたデザインの紙を貼る。竹の切りそろえから完成まで20ほどの工程は分業制ですべてが手作業だ。
山幸造花店は今年、約9000本を新発田市や聖籠町、胎内市、阿賀野市、新潟市北区などに出荷する。1本590円程度で、週内にはスーパーやホームセンターの店頭に並ぶ。
折からの物価高の影響で、中国製の竹の価格や運送費用が高騰。作り手の高齢化などもあってぼんぼりを巡る環境は厳しさを増している。
昼までに墓参りを済ます人が増えるなど習慣の変化もあるが、山鳥さんは「この辺りのお盆にはなくてはならないもの。できる限り長く作り続けたい」と話した。

山幸造花店(稲荷岡)
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